専門医に看てもらったら「命に別状あるやつだから切るよ」と言われ、その場でノドの内部二箇所にメスが入った。麻酔を使わずにメスでざくりと裂かれる痛さたるや。切られるたびにうめき声を上げ、ひさしぶりにぼろぼろ涙をこぼし、いっそすがすがしい気持ちだったのだが、治療が終わって振り返ると、同室に控えていた次の患者さんたちが青ざめた顔で私を見ていた。大丈夫、腕はいいようです。
薬漬けである。のどの痛みを緩和する薬を7種類ほど飲んだが、いずれも一時的な効果にとどまるかまったく効かなかった。この一週間で、過去10年のあいだに飲んだ薬の分量を越えていると思う。空腹にもかかわらず痛みが激しすぎてのどを通らないのがつらい。まず口が開かない。どれくらい開かないかというと、プチトマトが入らない。ご飯は楚々たるひと口サイズで半膳がやっと。ああ、思いきり嚥下したい。
宇宙食みたいなものを胃に流し込んで昼食とする。半日漢字制作。タランティーノの『ジャンゴ』を借りて帰宅。夜はシチューを少量ゆっくり食べる。
終日漢字制作。口数少なし。夕方から会食。タイプデザインの今後を巡って意見交換をおこなう。ビールはコップ一杯だけ、あとはひたすら温かい鉄観音茶を飲み続ける。
近所の耳鼻咽喉科が三軒ともお盆休みだったので、たまたま開いていた内科で診断を受ける。処方してもらった薬があまり効かないようで、お茶を飲むにも難渋している。二日間まともに食事をとっていないため身体はふらふら。こんな状態であるにもかかわらず、漢字づくりにはほとんど支障がない。むしろ快調といってよい。
のどの痛みに堪えかねてふたたび薬局へ。のどスプレーによる局部への集中治療に切り替える。そういえば先週は台湾ラーメンやカレーなど、刺激の強いものを続けて食べたのだった。台風の風を長時間にわたって浴びたのも良くなかったと思う。固形物がのどを通らないため、昼めしぬきで声を発することなく漢字制作。
エンジニアリング待ちになっているフォントの漢字を試験的につくりはじめる。懸念点はあるものの、思ったより早いペースで進められそうだ。のどの痛みは薬で緩和。昼はまともに食べられなかったが、夜は肉と野菜を十分に食べて栄養を補う。
朝から昼にかけてすごい勢いでノドが痛くなり、夕方から急激に関節が痛み出したところで風邪を確信した。薬といえばうちには葛根湯しかないが、これでは太刀打ちできないだろう。食べる遅さが自分でないみたい。
『大菩薩峠』を読みたいと言っていた父のために、文庫で何冊か買っておこうかと思っていたら、すでにkindleで15巻まで読んでいた。全巻読破を目的に読み始めたわけではないので、物語の面白さに引っ張られてこのままあっさり読み終えてしまいそう。専用のスタンドを自作しているところはさすが木工マン。
スケッチした仮名のアウトラインを描く。太さを揃えようとすると大きさが揃わず、大きさを揃えようとすると太さが揃わない。太いフォントにはその書体固有の解決方法が必要だ。小雨少々、涼しい一日。息子とすがきやの台湾ラーメンをつくって食べる。