午後から社内で書体デザインミーティング。それぞれ担当している仕事の資料を用意して、開発中書体の現状と方向性について認識を共有する。デザインに関する具体的な指摘も活発に。夕方から全員でオフィスの大掃除。
高速化された試作フォント用シミュレータを使ってみる。表示にもたつきがなくなり、操作感が一気に向上した。あきらかな速度の違いは体験の質そのものを変える。などと書いた矢先、GitHubの練習会にそなえてSourceTreeを更新したら無限ループのエラーに出くわし、シミュレータが使用不能に陥ってしまった。エンジニアに面倒をみてもらって再び試用開始。
半日かけて自宅書斎の本を整理する。ビジネス書を中心に処分する本を160冊ほど洗い出し、机の上に積んであった種々雑多な本を空いた棚にどんどん差していく。この調子で次の休日は新書と文庫を対象に減量を図り、2015年の書物空間を確保したい。
試作フォントのデザインを確認するのに必要な機能を追加するスケジュールが遅れているため、別の方法で表示できるよう例外処理的な対応をしてもらった。ここに辿りつくまでかなりの年月を要したが、あともう少しでこの書体の持ち味をじっくり確かめることができそうだ。
20年ちかくオールシーズンで使っているDURALEXのグラス。内側でなく外側をていねいに磨いたら見ちがえるほどきれいになった。実用的で気どりのないこのグラスは、ふだん使いの器として実に頼もしい。AXIS FontとTP明朝に求めた役割もそれに近い。
杉浦康平さんの記念講演を聴くため東京工芸大学へ。「対をなすカタチ」を主題に、日本とアジアを結ぶかたちの数々を巡る一時間あまりの講演会は、中国語と韓国語の同時通訳つきで行なわれた。アジアの図像を読み解いたその先に、杉浦さんが目指すところ、これからのデザインに期待することは何かというお話を伺ってみたかったが、質疑応答の時間はなかった。
この四半世紀の杉浦さんの活動を鑑みれば、デザインの範疇を超えた地平で、アジアの図像に文化人類学的なつながりを見いだすことを使命と考えておられるのだと勝手に想像している。記念講演の元になっている展覧会のタイトルは「ANDB 2014 東京展」。ANDBは「アジア・ネットワーク・ビヨンド・デザイン」の略である。事実、杉浦さんが長い時間をかけて、アジア各地のデザイナーと親交を深めてきたことは『アジアの本・文字・デザイン』を一読すれば了解できる。
そういえば、今回のレクチャーでもっとも時間をかけて解説されたのが、東西横綱の土俵入り動画だった。雲竜型に朝青龍、不知火型に白鳳。日本の国技にモンゴル人の両横綱という構図は、おそらく杉浦さん好みでもあるだろう。雲竜の結び輪は亀をかたどり、不知火の結び輪は鶴をかたどっているという杉浦さんの仮説は、日本相撲協会にまだ認められていないそうだ。
実を言えば私は、杉浦さんが図像の読み解きで得た成果をどのように本と講演以外のかたちで見せてくれるのか待ちわびてきた者である。しかし、日本の風土で培われた多様な文化資源を、これからのデザインにどう活かしていくのか、世界にどう提示していくのか問われているのは、むしろ我々のほうなのかもしれない。
昨晩は元職場の先輩方と恵比寿で食事をご一緒した。年にいちどの集まり。みなさんお元気そうで何より。午前中は漢字制作、午後から仮名の調整作業に集中。
平仮名デザインへのフィードバックを受けて微妙な調整をくり返す。作り手と使い手の気合いみなぎるラリーの応酬。愛と執念。
修正した平仮名のデザインを確認してもらうために、簡単な資料をつくって先方に送付。別の案件で、和文と欧文のバランスを比較検討してもらうための資料づくり。さらに別件で、問い合わせに回答するための質問メールを書く。それらが一段落したところで、担当書体の漢字制作。夕方近くになって先方から仮名デザインへのフィードバックがあり、細かなニュアンスを電話で確認したあと調整作業に入る。
めずらしく午前中に外出。収穫の多い取材に同行できて良かった。午後から仮名の修正作業。年内に進められるだけ進めておく。気を抜きやすい性格でなければ、アドバンテージはつねに有効。