とぎれとぎれに本を読み、とりとめもない思いつきをノートに書きつける。最初は単なる思いつきにすぎないが、アイデアを更新し続けることで筋の良し悪しがすこしずつ見えてくる。
『文字の美』展を観るために午後から日本民藝館へ。特別展より併設展に見ごたえあり。ふだんづかいの品々が、古びながら徐々に表情を変えるという物本来のありように見とれる。いまの日本にどうつなげるのかという大きな課題はありながらも、ものづくりに携わる人にとって学ぶところの多い文化資源が、これほど豊かにそろっているのは本当にありがたい。文字好きの人には、館内のあちこちに飾られている漢代の石碑や北魏の摩崖碑の拓がおすすめ。
タイププロジェクトの動向を気にかけてくれている某社のアートディレクターと会食。フォント業界への提言、Webサイトに対するアドバイス、都市フォントにかける期待など、建設的な意見をいろいろ伺う。
サイトの打ち合わせが終わったあと、来年度の組織体勢について検討する。変化ではなく、強化という観点から意見を出し合い、応募者への返信を行なう。半日漢字制作。
四年前に交わした約束をあの学生さんはまだ覚えているだろうか。あのとき止まった時間が動き出すことはあるのだろうか。忘れられていても仕方ないし、こちらで動ける見通しが立ったとしても、いちど中断した計画を動かすのはひどく難しい。そもそも、あんなふうに止まってしまった時間を、いったい誰がどんなかたちで動かせるというのだろう。しかしながらそう、望みは捨てない。
図版の作り直しに手こずる。漢字制作半日。初顔合わせのお客さんと軽い打ち合わせをして、そのまま夕食をご一緒する。こういうカジュアルな流れはひさしぶり。ものづくりの核心についてがっつり話ができて良かった。
春が近いせいか、食事のお誘いをいただいたりお誘いしたりという機会が徐々に増えてきた。ここ数年はTP明朝にかかりっきりで、ほとんど外部との接触を断っていたような状態だった。次の種まきをしておかなければいけない時期でもあるし、そろそろ腰を上げて動き出そうと思う。
小さな鍵が大きな扉を開ける。きょう読んだ本に掲げられていたトルコの諺。もうひとつ、きょう読んだ漫画『ラーメン食いてぇ!』にも通じる示唆に富んだことわざだ。始まりにこそ物語はある。
お昼まえにレタースペースに行き、書体見本の図版をつくりなおす。1200dpiのプリンタで原寸出力して、細い線の見え方を確認する。軽い昼食をとって夕方まで漢字制作。夜はおでんを腹いっぱい。
むかし治療した奥歯の一部が欠けてしまい、昼休みに歯科医院へ。レントゲンを撮って麻酔を打ってあれよあれよというまに大がかりな治療がはじまった。いちばん麻酔がききにくい部位なので痛みは覚悟して下さいと前おきされてびびりながら臨んだが、それほどでもなかった。麻酔なしでやった喉の切開手術とくらべたら何ということもない。