二人のエンジニアとやりとりをしたあと自己確認したのは、フィットフォントもDrop&Typeも、デジタルフォントならではの書体づくりと文字体験を共有したいという想いがベースにあること。文字に対する無関心。この厚い壁をどうやったら破ることができるのか。

武蔵美の授業初日。オリエンテーションと自己紹介、書体史の講義とMacの演習をおこなう。学生同士もまだお互いをよく知らないため、持参してもらった漫画・雑誌・小説を紹介するコーナーがよく機能している。Macの演習でも、できるかぎり隣り近所で助け合うよう促す。会社に戻って漢字制作。定例ミーティングのあと、新書体の開発にまつわる技術的な打ち合わせを二つ。

明日から武蔵美の授業が始まる。5年目になるというのに、いまだに講義の内容と課題の進め方を模索している。考えようによっては、改善の余地があるおかげで緊張感が失われず、迷いながらも講師を続けていられるのかもしれない。

外部の協力者の後押しによってふたたび動き出しそうなプロジェクトの書体スケッチ。この書体の場合、細部の処理が筆画の流れに与える影響が小さくないため、起筆と終筆のあり方から念入りに検討する必要があるだろう。

Drop&Typeと濱明朝が最初の里程標を越えたので、気分転換をかねて頭を短く刈り込んできた。この先またいくつものマイルストーンを自分たちの手で置き、ひとつずつ越えていかなければならない。

国内で日本語フォントの知的財産権を保護する声が高まる一方、海外からは、フォントの権利すべてを譲渡すると共に、価格の低廉化および納期の短縮化を求める声が少なくない。我々は作業効率を上げるなど、開発費を下げる努力をしなければいけないし、ひるがえって言えば、海外の発注元や中間業者には日本語フォントの内実についてもっと理解を深めてもらいたいと願っている。両者のへだたりが簡単に解消するとは思えないが、理解の溝を埋める労を惜しんだ結果として、低価格・短納期の流れができてしまえば、書体品質の低下という事態はまぬがれえないだろう。加えて恐るべきは、その責任の重さとトラブルの後始末である。

進行中プロジェクトの漢字制作に復帰。思ったよりスムーズに感覚を取り戻すことができた。新人デザイナーが描いたアウトラインに赤を入れ、修正点を細かく指示する。吉祥寺にて新入社員の歓迎会。

予約した本を受けとったあと郵便局へ。合かぎをつくっているあいだにタイヤに空気を入れ、新入生と桜を眺めつつラーメン屋に入る。となりに座ったご老人の生ビールの飲みっぷりがすばらしい。

アンカーポイントの数とその位置、アームの出し方とその比率など、ベクタ形式による描画の基本的な部分を工夫することでまだまだ面白いことができそうだ。今週の作業でそんなことを感じている。

内製用のツールとして開発し改善を続けてきたDrop&Typeの使い勝手をさらに向上させて、本日製品版をリリースした。社内では、試作フォントを簡易的に生成するツールとして活用してきた実績がある。リリースにあたっては、機能を最小限に絞り込み、どこまでUIをシンプルにできるかを問うた。

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