タイププロジェクトの取り組みを最も評価してくれているのが海外なのは淋しい気もするが、現状を正しく理解することなしに前には進めない。
ラグビー日本代表とニュージランドのテストマッチをTVで観戦。オールブラックスから5つのトライは立派。試合後のインタビューに答えた田村・福岡・田中のコメントも冷静かつ前向きで頼もしい。
渋谷で知人のカリグラフィー作品展を観たあと恵比寿に向かい、モノタイプ主催「Type&」のトークセッションを聴講。
ワークフローとユーザーインターフェースの検討。良い感触。金シャチ漢字の赤入れと漢字制作少々。夕方六本木のAXISギャラリーへ。お世話になった人、久しぶりの人、思いがけない人など色々な人にお会いできた。
私のディレクションとデザイナーの連携さえうまくいけば、私が制作する領域を狭めることによって若手の技能をもっと伸ばせるだろう。昼はチキンのかぼちゃグラタン。
タイププロジェクトらしい書体は、目的を明確にした書体づくりによって生まれてきたし、タイププロジェクトらしさの原点はそこにある。ひとつの書体をより有用性の高いファミリーに育て、複数のファミリーが有機的に関連し合うよう構想する。この構想がタイププロジェクトの基盤になっている。
目的が明確で有用性の高い書体は窮屈そうに思われるかもしれないがそんなことはない。むしろ巷には用途不明の書体が窮屈そうにしている例があふれている。もちろんこれは書体の作り手だけの問題ではないが、素材を提供する側の人間がやるべき仕事はたくさんある。
若手デザイナーにお願いしたファミリー展開の実験は良好な結果が得られた。書体のスタイルと拡張可能な軸の種類は緊密な関係にある。当たりまえのことだが、コンデンスに向いている書体とそうでない書体があるということ。次期リリース書体の品質チェックと金シャチ漢字のデザインチェック。担当書体の漢字制作少々。
NHKドキュメンタリー平成史の第一回、野茂英雄のロングインタビューを観る。批判や不利益をものともせず、大リーグのマウンドに立ちたい一心でとった野茂の行動は、賢い人には理解できないものだっただろう。50歳になって頬のあたりがふっくらした野茂のはにかんだ表情が誰かに似ているなと思ったら、浪人時代をともに支え合った親友の笑顔だった。
ドーナツと珈琲片手にビジネス書。午後から快晴。自転車のチェーンを修理して、鍋の具材を買いに出る。
いま取り組んでいることの多くが横文字の概念で占められていて、日本語書体を開発している会社の経営者としては複雑な気分だが、文字産業の現状と見通しを考えれば止むなしと言わざるをえない。ただし、文化に対する目配りを忘れてはいけないし、わたし個人としては関心を失いようもないほど文字の文化に魅了されてきたので、都市フォントがそのきっかけのひとつになればいいなと思っている。