字画最多クラスの漢字群をつくる。手間はかかるが難しくはない。仮名デザインのフィードバックを受け、改善を図る。わずかな調整だが、文字に張りが出て良くなった。客観性と思い入れ、いずれも重要。作業においては迅速性と執拗さ、こちらも重要。

開発中ツールの最新版が届いたのでさっそく試してみる。これはいい。UIの改善は必須だが、重要な機能をひと通り動かせるようになり、思い描いてきたことの全体像が実感をともなって見えてきた。慌てず急がず、要所をしっかり見きわめて、しかるべき相手に打ち込みたい。

足元に陽が当たるよう場所を変えつつデザインチェック。ためしに出窓のところに座ってみると、なるほど猫の気持ちがよく分かるあたたかさ。幅と奥行きが足りれば座椅子を置きたいくらい。

未読の記事や雑誌にゆっくり目を通す。注目している主題にぴったりの書籍が出ていたので、あすにでも書店に行って内容を確認したいところ。夜は自宅で天ぷらとエビス黒。メゴチが美味い。

ウィレム・デ・クーニング展を観るため午後からブリヂストン美術館へ。展覧会の図録だけでなく、解説用の大型展示パネルにもTP明朝が使用されていた。へぇと思いながらパネルに接近して文字をまじまじ眺めているところを直井さんに発見されて苦笑い。TP明朝のローコントラストもしくはミドルコントラストを大きめのサイズで使うと、UD的フォントな印象が強まることを再確認した。

間近で仕事をしている新人デザイナー二人の仕事ぶり感じつつ書体制作を進める。改善すべき箇所を見つける目と、改善する手の精度をすこしずつ上げていってもらう。作業のテンポはそれに伴って自然に上がっていくものだ。

午前中にサイト関連のミーティングを行ない、午後の外部ミーティングに備える。仮名のデザイン調整を終えて先方にデータを送付、フィードバックを待つ。夕方から懸案事項について話し合う。

講評時の点数と作品の最終データを照らし合わせ、大学の成績をつける。例年そうなのだが、作品を最初に見たときの印象と、最終的な成績のあいだにずれが生じることはほとんどない。プレゼンテーション能力が功を奏する場面がないとは言えないが、作品が放つ力を上回る要素は見あたらない。少なくとも美大の課題では。

Kindleで『大菩薩峠』を読み進めていた父にどこまで読んだか尋ねたら「もう読んだよ」とあっさり返された。あの長編を淡々と読み切るとは、歴史物好き恐るべしである。帰省したおりに、五味康祐の『柳生十兵衛八番勝負』を私からのお薦め本として置いてきた。

『大菩薩峠』を読む日が来るかどうか分からないが、まずは五味康祐の未完の大作『柳生武芸帳』上下巻と、林不忘の『丹下左膳』三部作を読まねばなるまいて。今宵のような寒風が吹きすさぶ夜にはふさわしい読み物だろう。木枯しやニヒルは遠くなりにけり‥‥

私思うに、not my business を時代劇風に訳せば「あっしには関わりのねぇことでござんす」がパーフェクトではないかと。剣術小説・忍術小説アレルギーの人は、柴田錬三郎の随筆『地べたから物申す』からどうぞ。シバリョウもいいけどシバレンもね。

タイププロジェクト2015年の仕事始め。午前中は仮名のデザイン調整、昼に海鮮丼を食べて、午後から漢字制作。そして年初の定例ミーティング。 スケジュール確認をしたあと、ツールの改善点について意見交換をおこなう。データが消えてしまう確率は50%と言われたMacBookが何事もなく戻ってきた。幸先いい。

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