若手と中堅チームが製作しているフォントの出来映えをスクーリン上で確認する。書体ごとに錯視の起こりかたが異なるのが興味深い。ここで得た知見を次の書体に活かせれば、開発面での収穫は少なくない。デザインの新規性ではなく、潜在的な需要にどう働きかけるかが販売面での課題。

仮名のブラッシュアップを進める。寄り引きと並びの微調整(縦優先か横優先かで変わる)。黒みと大きさの微調整(垂直画と傾斜画では太さの見え方が異なる)。半濁点の大きさ調整(「ぺ」の半濁点は相対的に小さく見える)。このあたりの調整は錯視的な領域に属する。比喩的に言えば、触覚的な視覚で違和感を捉え、かんなで凹凸を平らにならし、やすりで表面を滑らかにする作業に近い。ひたすら「ここち」を良くすることを目指す。

来週のレクチャーに備え、都市フォントのスライドを準備する。濱明朝、金シャチフォント、東京シティフォントの三つを並べ、都市のアイデンティティをどのように書体デザインに結びつけたかを解説するつもり。

いま作っている書体については書きたいことがたくさんある。興味をもって読んでもらうためにはどう書けばいいのか。書体を作りながら腑に落ちたことをうまく言葉で伝えたい。

サンプルフォントで書体の仕様と仮名のデザインをあらためて見直す。拙速に走らず、ここは吟味熟考が大事なところ。夜は酢豚とカツオのたたき。

書体開発ツールの今後の展開についてエンジニアと意見交換をおこなう。代官山で昼食をとり、モノタイプ社主催のトークイベント「Type&」へ。19時ごろ会社に戻って急ぎの事案に関する状況を確認する。

午前中は次期プロジェクトに関連する記事の読み込みと雑誌原稿の赤入れ。伝達内容の正確さと分かりやすさの兼ね合いがむずかしい。朝摘みのオクラを薬味にして蕎麦を食べる。

書体制作の最終盤になってメンバーの力量が上がるのはいつものこと。もっと早い段階でこの水準の文字ができればとは思うが、次のブラッシュアップ作業で、伸びた力すなわち修正すべき箇所を的確に見抜き、改善する能力が生きてくる。

午前中は漢字制作に集中。午後から外部の関係者と顔合わせを兼ねた打ち合わせ。今後の展開が楽しみな、充実した内容のミーティングになった。この案件を通じて有益な関係が築ければ素晴らしい。

今日中に金偏の後半部を終えるという少し高めのハードルを設定して、早朝から漢字制作にいそしむ。結果、余裕を持って終了。スタートダッシュの影響はやはり大きい。前半で黒みの調子がとれたおかげで直しも少なく気分がいい。

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