初夏の日差し。開発中書体のデザイン確認とフィードバック。しだいに完成度が上がってきた。夕食は豚の冷しゃぶ。辛いサテトムに酸っぱいタレがよく合う。

多摩美統合デザイン前期の授業1ターン目が終わり、別のクラスでもう1ターン。授業にすこし慣れてきて肩の力が抜けたせいか、好意的に学生が近づいてくれる感じ。しかめっ面でおもしろくなさそうにしている人に近づかないのは学校にかぎったことではありませんが。

武蔵美から戻って少し遅めの昼食。完成が近づいてきた書体の赤入れとフィードバックをおこなう。だいぶ磨きがかかってきた。別書体の漢字熟語シートに赤を入れて担当デザイナーに戻す。この書体の良いところはしっかり出ているので、それがより際立つよう改善点をアドバイス。

資料を元に具体的な検討をおこなっていると、どんなに経験を積んでもあらかじめわかることは限られていると痛感させられる。判断ミスをしたときは謝罪して前言を撤回する。良いものが出来るのであれば、より良い結果が出せるのであればいつでもそうする。

快眠快晴、布団干し。演習を採点して返却する。昼はカルボナーラと白ワイン少々。わたくし個人としてはこれ以上を望まないし求めない。

ぬかるみに足を取られぬよう小道を抜けて武蔵美へ。課題制作の中間発表。持参した書体スケッチと原字を学生に見せて質疑応答をおこなう。肌寒い今宵の夕食は餃子鍋。

5時に目が覚めてメモ書きを始めたら眠られず起床。おかげで仕事前に本を2冊読むことができた。平日は朝食をとらないのだが、さすがに昼までもちそうにないのでキャベツときゅうりを切って甜麺醤につけて食べる。終日小雨。

『しあわせは食べて寝て待て』は良いドラマだった。ドラマというには淡い、しかし痛みや切なさを丹念に描いて味わい深く、素敵な人たちがたくさん登場して飽きさせない。なかでも加賀まりこと宮沢氷魚は白眉だった。最終回の終盤でベランダにいた加賀まりこの顔にピントが合っていない場面にもかかわらず万感の思いが溢れる様子が伝わってきて胸がいっぱいになった。

授業ごとに設定した主題について講義をしたあと主題に関連した演習をおこなう。前期7回の文字授業評価アンケートに目を通したかぎりでは、講義と演習を結びつけて学びを深める授業の形式については比較的好評なようだ。なかにはきびしい意見もあるが、実はそちらのほうが参考になる。

作業に没頭しなければいいものはできないが、没入しすぎると出口が見えなくなる。改善の余地の大きさとその余地を埋める時間、余地を埋めたときの効果を見定めるのが私の大事な役目のひとつ。惚れ込める書体を作りたい気持ちと突き放して見る客観のせめぎ合い。

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